発生時期
4月
 高知県でアサギマダラが見られはじめるのは4月下旬頃からになります。ただし、春はまだ調査が殆ど出来ておらず、確認されている数も非常に少ないのでマーキングは出来ていません。また、越冬幼虫が確認されている室戸や香南市、虚空蔵山、蟠蛇森でもいつ頃に発生するのか全く分からない状態なので、四国内での生態を解明する上でもこれらの調査が必要だと思われます。
5月
 5月になると沿海地から山地にかけて幅広く見られるようになりますが数は少なく、集結地は確認されていません。上旬から中旬には沿海地から標高500m以下の低山地にかけて、中旬以降には500m以上の山地でも見られるようになってきます。2006年の調査では室戸や高知市、早明浦ダム周辺、大豊町、中旬以降には横倉山や四国カルスト手前の林道沿いなどでマーキングがされていますが、いずれも数は少ないようです。
6月
 6月には石鎚山系や四国カルスト、鳥形山など高山でも見られるようになってきます。その他では大豊町の梶ヶ森周辺の標高500〜600mあたりや稲叢山周辺などでもマーキングされています。この時期はヨツバヒヨドリはまだ開花していませんが、枯れた葉っぱや茎に集まる様子が見られると思われます。
7月
 7月になれば見られるのはほとんどが標高1000m以上の高山になります。ヨツバヒヨドリが咲き始める頃には四国で羽化したと思われる新鮮な個体が大量に見られるようになってきます。中でも2006年に確認された寒風山と四国カルストにはある時期に集中的に集まるようです。特に寒風山は造林地の斜面が一面真っ白になるほどのヨツバヒヨドリが咲き、推定で数万頭のアサギマダラが集結していると思われます。現在は夏に寒風山でマーキングをする人数が少ないため調査が不十分なところもありますが、それでも2006年の標識数は地点別で最も多かった場所になっています。その他の場所では石鎚山などでもかなりの数が見られますが、徳島の一の森ヒュッテ近くのナンゴククガイソウの群生地ではものすごい集結が見られるとの情報も頂いています。
8月
 8月になると今まで集結していた寒風山や四国カルストで急に見られなくなり、他の場所に散らばって移動したと考えられます。高山ではヒヨドリバナが咲き始めるので、そこに集まることが多くなるようです。この時期に見られるのは剣山系の白髪山や石鎚山系では瓶ヶ森林道沿い、石鎚山の登山道沿いなど。石鎚山ではお盆の頃、土小屋周辺のノリウツギに群がっている様子を確認しています。また、室戸では真夏のこの時期でも数は少ないですが見られるようです。
9月
 9月にはいると夏に集結した個体が雲隠れするように急に姿が見られなくなります。ヒヨドリバナが高山から徐々に標高の低い場所に移り、あちこちで咲くようになるからかもしれません。その中で現在分かっているのは白髪山や綱附森周辺の造林地で多く見られるようです。
10月
 10月は本州からの移動個体が続々と飛来してくるため、一年で最も多くマーキングできる時期になります。上旬は白髪山あたりでもかなりの数が見られますが、中旬になると秋葉山で集結が見られるようになり、再捕獲も多くなります。そして10月に最も多く集まるのは、2006年に発見された長者ガ森ではないかと思われます。発見されたのが下旬が近くなっていたのも関わらず、10月の数は室戸と変わらないほどの標識が出来ています。早い時期から調査が出来ていれば相当な数が見られると思うので、2007年以降は注目したい地域です。
11月
11月になると山地ではあまり見られなくなり、沿海地で最も多く見られる時期になります。室戸や足摺、大堂海岸などは全国的にも知られている集結地であり、多数のアサギマダラが見られます。中部では桂浜や横浪半島、野見半島で多く見られますが、これらの場所は年によって変動があり、2005年にはかなりの数が見られていたものが、2006年には少ししか見られませんでした。これは年によって花の開花状況などにより、多少のルート変動があるからかもしれません。
 12月はほとんどの場所で見られなくなりますが、室戸では中旬あたりまで少しは見られるようです。
高知県及び周辺の代表的な集結地